今回ご紹介するのは、福岡県古賀市で3人の子どもを育てながら働く、柴田彩さんです。福岡市から古賀市へ移り住んだ柴田さんは、地域のあたたかい人々と子ども向けイベントが多い古賀市の生活に満足されています。
柴田さんの実体験を通じて、移住を考える方々に役立つリアルな情報をお届けします。古賀市で子どもを産み育てたい方は、ぜひご参考ください!
親しみのあった福岡市での社会人生活

-柴田さんのご出身はどちらですか?
出身は大分県ですが、幼稚園と大学は福岡県でした。幼稚園時代は福岡市内で過ごし、小学校に上がると同時に大分に戻りました。それから高校生まで大分で過ごし、大学生になって再び福岡市に来て一人暮らしを始めました。
-幼稚園、大学は福岡で過ごされたということで、柴田さんは福岡に親しみがあったのですね。これまでどのようなお仕事をされていたのですか?
大学卒業後は、食品総合商社の営業職として入社し、トラックに乗って博多の飲食店に商品を配達していました。その後、部署が変わり、出張で全国各地を飛び回っていましたね。
出張でエネルギッシュな日々を過ごしていましたが、結婚を機に新たなステップへ進むため転職しました。

次の職場は人材サービス会社で、こちらも営業職を務めました。第一子を出産し、産後一年で職場復帰しましたが、仕事と家庭のバランスを取るため退職し、家庭に専念する期間を持ちました。
第二子・第三子を出産し、現在は古賀市の快生館に拠点を構えるIT企業で、地域ソリューションの営業をしています。
-食品総合商社や人材サービス会社に勤めているときも、福岡県にお住まいだったのですか?
はい、大学生の頃からずっと福岡県に住んでいます。住んでいたのは博多区の東比恵と言って、福岡空港と博多駅の間にある地域ですね。
-都市部にお住まいだったのですね。
そうなんです。私と夫の勤務先が近かったので東比恵を選びましたが、第一子が産まれると夜泣きで住民からクレームがくることがありました。加えて、大通り沿いのマンションに住んでいたため自転車の通りが多く、交通量の多い都市部での子育ては難しいと感じ、子育てしやすい地域への引越しを考えました。
当時、私は福岡市天神にある人材サービス会社に勤めていたので、夫の実家がある宗像市と博多の間で土地を探し始めたんです。
子育て環境抜群な古賀市は “人のあたたかさが魅力”

-子育てを重視して土地探しが始まったんですね。ちなみに、探していた土地のエリアの中に古賀市は入っていたのですか?
古賀市は候補に入っておらず、ずっと福岡市の土地を探していました。福岡市東区が中心で、宗像市寄りに行くとしても通勤時間の観点から糟屋郡新宮町までが限界だと考えていたんです。福岡市や新宮町で駅から徒歩10分圏内の土地を探していましたが、希望条件の場所は見つかりませんでした。
たまたま、住宅展示場に行った帰りに古賀市鹿部の住宅街を通ったとき、鹿部は土地の広さも十分で家と家の間隔が広く取られており、新しい家が多かったため、近くの住宅会社に飛び込みで入ったんです。
すると偶然にも、当日に売り出されたばかりで、まだインターネットに情報が載っていない鹿部近辺の土地を紹介していただけました。夫はこの土地を気に入っていたものの、私は福岡市に住みたかったので一年間土地をキープしていただき、福岡市の土地を探しました。
長い間、福岡市や新宮町の土地を探しましたが希望をかなえる土地がなく、結果的にキープしていただいた土地で家を建てることになった感じです。
-偶然が重なって古賀市と縁ができたのですね。元々、福岡市に住みたい希望があったようですが、古賀市に住んでみていかがですか?
古賀市はとても子育てがしやすいまちだと感じています。近郊にはコストコやイオンモール、IKEAなど大型施設があり、子連れのお出かけには困りません。


鹿部周辺には、業務用スーパーや安くて新鮮な野菜を販売しているコスモス広場があります。古賀市天神に行くと、フレッシュミート永吉というお肉屋さんもあり、食にこだわる方でも買い物には困らないと思います。

また、引越してすぐに市役所の方々がとても優しく、驚きました。窓口の方が古賀市の制度やいろいろな場所をていねいに教えてくれたんです。知り合いがいない状態から古賀市での生活が始まりましたが、市役所の方が優しく接してくださり、あたたかい気持ちになりました。
さらに、道ですれ違う人があいさつしてくれるのも “古賀市ならでは” かもしれません。ご年配の方も小学生も、同世代のママさんも、みんなが声をかけてくれます。博多区に住んでいるときはなかった経験ですし、育児で孤独を感じていたので、古賀市に引越してきて本当に良かったと感じています。
ー「古賀市の方々はあたたかい」とよく聞きますが、柴田さんのコミュニケーション力が高いのも要因の一つかなと感じたのですが、いかがですか?
公園や児童館などでは自分から話しかけるタイプではありますが、博多区に住んでいたときはママ友がいなかったので、やはり “古賀市ならでは” だと思います。
古賀市で出会ったママさんたちは、話しかけると気さくに対応してくれて、今でも仲良くさせてもらっています。
子ども向けイベントが充実する古賀市での過ごし方

-老若男女問わず、気さくで優しいのが古賀の方々なんでしょうね。ちなみに、柴田さんは3人のお子さんがいらっしゃいますが、よく利用していた施設や公園はありますか?
サンコスモ古賀の中にある「でんでんむし」という、未就学児の子どもと親が交流できる施設によく通っていました。あとは、花鶴が浜公園です。親の目が届く広さで、駐車場が公園から近いこともあり利用していました。


福岡市には小さな公園が住宅街の中に複数あるイメージでしたが、古賀市は無料駐車場を備えた大きな公園が点在しています。古賀市の方は車移動が基本なので、無料駐車場のある大きな公園は行きやすいですね。
また、幼稚園やこども園などで月に1回程度開かれる親子教室にも参加していました。未就園児とその親を対象に、各園で無料イベントが開催されます。

リトミック教室が開かれたり、サンドイッチ作りやバルーン遊びなど、毎回異なる催しが行われ、子どもは「楽しかった!」と言っていました。親子教室は各園の特色を知る機会でもあるので、親にとっては子どもを遊ばせながら園選びができる良いチャンスだと思います。
-古賀市は子ども向けイベントが充実していますね。
そうなんです!毎日どこかでイベントが開催されていて、参加するのに忙しいくらいです。
私は、「特定非営利活動法人 子どもパートナーズHUGっこ」という団体が主催しているイベントにもよく参加していました。この団体は古賀市を中心に活動しています。公園に遊具や絵の具などを用意してくださるので、親は準備する必要がありません。それに無料で開催してくださるので、産後働けず収入がなかった間は無料で楽しめて、本当にありがたかったですね。
HUGっこさんの「おそらのしたで♪」というイベントは午前中に開催されますが、知り合った方と仲良くなると、お弁当を持参して参加し、一緒に食べて帰宅するという楽しみ方もしていました。このようなイベントに参加して、顔なじみを増やしていきました。
近所のママさんと協力し合い、サポート体制を構築中

-古賀市に引越して来られてとても充実した生活をされていますね。柴田さんは現在働かれていますが、3人のお子さんを育てながら働くとなると、家族や親戚などのサポートが必要なときがあると思います。柴田さんのご実家は大分県、旦那様のご実家は宗像市ということで、気軽にサポートを受けられる環境にないと思うのですが、どうやって乗り越えられているのでしょうか?
私の職場はリモートワークにも対応しているので、子どもの体調不良時にはリモートワークに切り替えたり、勤務時間を変更して対応しています。それでも、取材や出張で現場に出向かなければならないときは病児保育を利用しています。
夫は仕事が忙しく、平日は基本的にワンオペですが、緊急の場合は近所のママさんに助けを求めています。ぎっくり腰になったときや出張でお迎えが間に合わないときには、近所のママさんが代わりにこども園や幼稚園にお迎えに行ってくれたんですよ。
その後もたびたび近所のママさんに助けてもらっていました。このように助けを求められる関係が地域にあることは良いのですが、相手にも家事や育児があり忙しいので、無償でお願いするわけにはいきません。
助けを求めたことで今後トラブルに発展しないよう、お互いにファミリーサポートに登録し、正規料金を支払って助け合っていこうと近所のママさんと話しているところです。
参考:古賀市ファミリーサポート
古賀市の無料講座受講をきっかけに就職

-地域の方と協力し合い、制度をうまく利用して仕事と家庭の両立を図っているのですね。では次に、お仕事について詳しく教えてください。柴田さんは古賀市薬王寺にある快生館に入居するIT企業で働かれていますが、そのきっかけは何だったのでしょうか?
古賀市が主催していた「在宅ワーカー育成無料講座」を受講したことがきっかけでした。転職活動をしていたのですが、前職、前々職ともに子ども優先で働ける環境が整っていなかったため、在宅ワークに興味を持ち始めたんです。
SNSで在宅ワークの無料オンラインセミナーを数回受講したのですが、勧誘が多くて嫌になってしまいました。そんなときに古賀市が主催する無料セミナーを知ったんです。市が主催していることもあり、安心感がありました。

「この講座はどんな会社が運営しているのか」と会社のホームページを見て、いろいろな事業を展開していることを知り、前職で培ったスキルを活かして働けるかどうかを講座の担当者さんに話し、面接の場をつくってくださいました。そして、採用に至った感じです。
自分が移住した際に困ったことを解決していきたい

-柴田さんの行動力はすごいですね。地域ソリューションのお仕事をされているとお聞きしましたが、具体的にはどのようなことをされているのですか?
「古賀でこそだて」というInstagramアカウントの運営のほかに、「Caree Tern(キャリターン)」という、インターンシップと求人募集を掛け合わせたプラットフォーム立ち上げを行いました。
Caree Ternは、古賀市の企業と古賀市で働きたい求職者をつなぐプラットフォームです。インターンシップを採用の中に取り入れることで、企業と求職者の採用ミスマッチを軽減し、双方の効率的な採用・求職活動を無料で進められる仕組みとなっています。
実は私が前職の人材サービス会社で働いていたとき、家の近くで転職したかったので古賀市の求人広告をよく見ていたんです。「古賀市は求人が少ない」という印象だったのですが、エリアを担当している先輩に話を聞くと、古賀市では応募者が多く、求人広告の掲載期間が短いとのことでした。
しかし、Caree Ternの立ち上げで企業を訪問すると、応募者が来ないという現状がありました。企業は高額な求人広告を出しても応募者が来ないので、求人を出すのをやめていたんです。
「古賀市で働きたい人がいるのに、働けない状態になっている」この負の連鎖を断ち切るためにCaree Ternが生まれました。

-古賀市は都市部へのアクセスが良い分、博多や天神へ働きに出ている方が多いですよね。こうした裏話があったなんて知りませんでした。柴田さんは地域ソリューションの営業をされているということで、今後、古賀市でやりたいことはありますか?
少し宣伝になるのですが、「こがこねくと」というプラットフォームを2025年2月3日にリリースしました。

「こがこねくと」は、古賀市の企業やお店、個人事業主が発信する情報を一つに集約し、利用者が事業者をフォローし、いいねやコメントで交流できる地元密着型のWebサイトです。
Caree Ternとも連携しているため、地域イベント情報からインターンシップ・求人情報までアクセスできるようになっています。
参考:こがこねくと
-「こがこねくと」が生まれた背景には何があったのでしょうか?
私が縁もゆかりもない古賀市に移り住んだとき、古賀市の情報を探すのに苦労したことがきっかけでした。
企業やお店、個人事業主がそれぞれ情報を発信していますが、発信ツールがLINEやInstagramなどと異なるため、情報が散らばってしまっているんです。
また、移住者は人脈がないため、SNSアカウントにたどり着くことも難しいんですよ。

例えば、HUGっこさんのイベントの場合、長年古賀市に住んでいる方は、友人や知り合いを通じてHUGっこさんを知り、Instagramアカウントをフォローします。
しかし、移住者は知り合いがいないため、HUGっこさんのInstagramアカウントを知ることさえ難しいのです。良いイベントが開催されているのに情報が届かない。そんな状況を変えたくて、様々なツールで発信される情報を集約するプラットフォームを立ち上げることにしました。
-「こがこねくと」が移住者の方に活用していただけるといいですね。最後に、古賀市へ移住検討している方へ、ひと言お願いします。
私は土地選びをするとき、福岡市一択で考えていました。しかし、古賀市に住んでみると、人のあたたかさや子育て環境の良さに魅了されました。
今では、古賀市をもっと良くしたいと、住民目線を取り入れながら仕事をしています。まずは「こがこねくと」にアクセスしていただき、古賀市にある企業やお店、地域イベントなどを見て、一度、古賀市に足を運んでいただきたいですね。
今回は、古賀市で子育てをしながら、古賀市をより良くしたいという思いを持って働かれている柴田さんのお話でした。
子育てに関するおすすめ情報をたくさん提供してくださり、移住検討者にとって役立つ情報になったかと思います。
古賀市住民の満足度アップにつながるプラットフォームの立ち上げ、運営を応援しています!
柴田さん、貴重なお話をありがとうございました。