古賀初心者にすすめたい。“食”で巡るほろ酔いはしご酒コース

古賀のまちを楽しむなら、まずは気軽な“飲み歩き”から。実はこのまちでは、小さな店をはしごする時間そのものが、人との新しいつながりに出会うきっかけにもなっています。

今回は、「食」をテーマにした交流の場【るるるる】の運営者であり、JR古賀駅西口エリアの魅力を再編集しながら、空き物件の活用に取り組むエリアマネジメントカンパニー・ヨンダブルディーの橋口敏一さんに、古賀初心者におすすめのはしご酒コースの一つを教えてもらいました。肩肘張らず、でもしっかり古賀らしさに触れられる。そんな一夜のモデルコースをご紹介します。

1軒目|古賀商店街の酒事情を語るなら、まずはここ「ノミヤマ酒販」

古賀の夜は、ここからゆるやかに始まります。

0次会にぴったりなのが、ノミヤマ酒販。古賀駅西口商店街の情報発信基地ともいえるスポットで、仕事帰りの常連の方はもちろん、飲食店さんや生産者さん、更には遠方からのお酒好きが自然と集まる一軒です。

小規模な造り手による“顔の見える酒”を中心に、店主が本当におすすめしたい!と感じたものだけをセレクト。酒そのものの魅力はもちろん、店主・許山さんの語り口や背景にあるストーリーに惹かれ、市外からも足を運ぶファンが後を絶ちません。店内の角打ちスペースは開放的で、女性ひとりや子ども連れでも入りやすい雰囲気です。

「まずはここで“0次会”というのがお決まりコースですね」と橋口さん。

初めて訪れても構えすぎる必要がないのは、古賀の商店街らしい懐の深さ。外から来た人も自然に受け入れてくれる空気があります。

橋口さんの定番(最初のお決まり)は「天神ハイボール」。この日は、米焼酎「武者返し」をベースにした一杯で、柑橘の清涼感とまろやかな味わいのバランスが光ります。

夏場は店先での外飲みも可能。夕暮れどきには、商店街に沈む美しい夕日を眺めながらお酒を楽しめる酒場です。

そんな夕日に出会えたら、今夜のはしご酒も上々の幕開けです。

2軒目|人と酒がゆるやかにつながる隠れ家「bar ponte」

一杯目の緊張がほどけた頃、次に向かうのがこの一軒。

交流拠点「るるるる」内の一室にある【bar ponte】は、東京から古賀へ移住してきたご主人・良紀さんと、デザイナーとしても活躍する奥さま・泰代さんが営む洋風居酒屋です。

高校卒業以来、料理一筋の良紀さんがつくる一皿と、お酒好きのご夫婦がそろえる充実のドリンクラインナップが魅力。

ここで橋口さんがよく頼むのは、黒糖焼酎「JOUGO」のソーダ割り。「黒糖焼酎の中ではかなりさっぱりしていて、どんな料理にも合うんですよ」と教えてくれました。

定番のアテは、開業当初から定番メニューとして親しまれているぷりっぷりのサルシッチャとシュークルート、里芋のねっとり感がたまらないパテ・ド・カンパーニュ。その日の気分で、焼酎、ワイン、日本酒と自由に選べるのも、お酒好きにはうれしいポイントです。

こぢんまりとしたL字カウンターに腰掛けていると、気づけば隣の人と言葉を交わし、会話がゆるやかに広がっていきます。

こうした自然な交流から「近所の飲み友達」が生まれやすいのも、個人店が点在する古賀駅西口商店街の魅力のひとつ。

3軒目|古賀らしさを味わうなら外せない名店「桐島」

古賀の夜を語るなら、ここを外すわけにはいきません。

古賀の夜が、ここからぐっと地元の色合いを濃くしていきます。

扉を開けると、そこには昔ながらの焼鳥屋の空気感。壁の棚には常連客のボトルがずらりと並び、テレビ前には、常連たちの“いつもの席”が並びます。

一見無愛想に見える店主ですが、実は人情味あふれる名物大将。いつもアイロンの効いたはっぴ姿で迎えてくれます。

「古賀に初めて来た人は、絶対に連れてきたい場所。古賀らしさがぎゅっと詰まっています」と橋口さん。

ここでは、まずビール、そして串を数本。

老若男女が集う店内はいつもにぎやかで、団体席もあるため打ち上げ利用にも重宝されている一軒です。

4軒目|締めは“ザ・スナック”な余韻を「スナックRin」

最後は、これぞスナック!と言いたくなる王道空間「Rin」へ。

一人でしっぽり飲むのも、仲間とわいわい過ごすのも似合う一軒です。

カウンターで込み入った話をしていても、ママのみすずさんは絶妙な距離感でそっと見守ってくれます。さりげなく用意される、気の利いたおつまみもうれしいところです。

カラオケも完備され、「酔っ払っているからか、マイクがすごくいい感じに声を響かせてくれて。ついつい気持ちよく歌いすぎてしまいます」と橋口さん。

グラスを重ね、歌声がゆるやかに店内に溶けていくうちに、隣り合わせた誰かと言葉を交わしながら—そんな時間を重ねるうちに、古賀の夜は静かに更けていきます。

古賀の夜の余韻に、これ以上ない締めくくりです。

古賀の夜は、まだまだ奥深い

今回ご紹介したのは、あくまで古賀の魅力に触れるルートのひとつ。商店街を歩けば、まだまだ個性豊かな店や人との出会いが待っています。

古賀のまちを歩いていて印象的なのは、外から訪れた人にも自然と扉が開かれていること。個人のお店が点在する商店街では、店主や隣合わせた客との何気ない会話から、新しいつながりが生まれ、気づいたら一緒にはしご酒を楽しむ「近所の飲み友達」が生まれていきます。こうした“顔の見える距離感”は、移住してきた人にとっても、このまちでの居場所を見つける大きなきっかけになりそうです。

まずは一杯。そこからゆるやかにつながっていくのが、古賀の夜の楽しみ方。肩の力を抜いて、自分だけの“はしご酒ルート”を見つけてみてはいかがでしょうか。