暮らすほどに見つかる古賀市の魅力と楽しみ方|古賀市地域おこし協力隊 黒木さんインタビュー

古賀市がまちの活性化のために総務省の「地域おこし協力隊制度」のもとに任用した“第一号”の隊員として活動されている黒木俊介さん。
2021年に古賀市に移住してきて以来、お休みの日はイベントに参加したり、観光したり、仕事も遊びもアクティブに動いて古賀市でも生活を満喫しているそうです。

今回はそんな黒木さんに、移住してきたからこそ語れる古賀市の魅力を、たっぷりインタビューさせていただきました。

知れば知るほど古賀市の魅力を感じる

ー黒木さんが地域おこし協力隊に応募したきっかけを教えてください

僕は熊本県五木村という自然豊かな山里で生まれ育って、大学進学を機に上京し、そのまま東京で通信技術系の企業に就職しました。ですが、そこでの仕事が肌に合わないなと感じて、興味のあった映像制作関連の仕事を中心にフリーランスとして活動を始めました。
それからドラマや映画の制作に関わるようになり、海外ロケのコーディネーターとしてフィリピンを拠点にしていたんですが、ある時から新型コロナウイルスが流行し始めてしまって、一旦、帰国して東京に戻ったんです。
でも、なかなか日本でも海外でも自由な撮影ができず、思うように仕事ができなくなってしまったんです。
そんな状況の中で「自分の時間とか労力を今何に注いだらいいんだろう」って考えて。

映像の世界にしがみつきたいわけでもないし、東京にこだわる必要もないし、「それなら地元の九州に戻って自分ができることを探そう」と決断しました。
それで九州に戻ってきて色々調べていた時に、古賀市出身の知り合いから「興味あったらどう?」って勧められたのが地域おこし協力隊でした。

そこから市の担当の方に詳細を伺ったところ「まちに興味を持ってもらうために、観光面での魅力を多くの人に伝えていきたい。」というお話だったので、それなら僕がこれまで映像業界で経験してきた「表現する」という部分が活かせそうだなと思い応募に踏み切りました。

ー地域おこし協力隊としてはどのようなことをされているのですか?

地域おこし協力隊としての主なミッションは古賀市の観光活性化です。

古賀の観光の魅力を伝えるためにガイドマップを作って情報発信をしたりとか、イベントの撮影だったり、地域の事業者さんの取材をして発信をするという活動をしています。
昨年は、古賀市観光協会が直営する物販・飲食施設『コガボーノ』の立ち上げに協力し、古賀の新たなスポットを作り出すことができました。

最近だと、一般社団法人のこがみらいの方々と一緒に古賀と新宮の地域密着メディアとして立ち上げた『コとシのにゅーす』というYouTubeチャンネルで地域のお店や人気スポットの紹介動画を投稿しています。

ー古賀に住む前と住んだ後で印象は変わりましたか?

引っ越す前に古賀市についていろいろ調べていたのですが、あまり詳しい情報が出てなくて…。
正直にいうと「何もなさそうだな」「あまり期待してもしょうがないかな」という気持ちで引っ越してきたんです。
でも実際に住んでみると、由緒ある熊野神社や珍樹で有名な五所八幡宮もあるし、貴重な馬具が発掘された船原古墳があったりもするし、きれいな砂浜が広がる古賀海岸や紅葉がきれいな興山園など、知れば知るほど古賀の魅力的な部分が見えてきました。

神社巡りをすれば昔ながらの風情が感じられるし、農園では芋掘りとか広い畑を使った収穫体験イベントとか、地元の人でも他のところからきた人も楽しめるものがたくさんあるんです。
でも、古賀に移住してすぐの頃、地元の人たちに「何で古賀市にきたと?」とか「古賀いいとこないよ」という反応だったりで、謙遜なのかもしれないけど消極的な印象があるんですよね。
なので実はまだまだ古賀市の魅力を上手く発信できていない現状があって、外からみると「何もないんだな」となってしまっているんだと思います。

古賀市が地元の方たちにも、僕のような移住者が見つけた古賀の良さを一緒に共有してもらって、古賀の楽しみ方に改めて気付いたり、興味を持ってもらえたらなと思っています。

ー住み心地はいかがですか?

住み心地はめちゃくちゃいいですね。
古賀市を中心に、福岡市や新宮町、福津市・宗像市とかへの動線がスムーズですごく便利だし、商圏・生活圏として広がっているのでいろんな楽しみ方ができるんですよね。
移動は高速道路のインターもあるし電車も使えてアクセスがいい。観光するところもたくさんあるし、それぞれの地域で色んなイベントなどが楽しめます。

古賀市を含む海沿いのエリアは、”しこふむエリア”とか”筑前玄海エリア”って呼ばれていますが、今それぞれの地域で盛り上げようって頑張っているところなので、古賀ならではの観光コンテンツを創り、磨き上げていきたいですね。
以前に古賀移住計画のインタビューを受けている森田さんとも「古賀市って住みやすいよね」という話をしていました。

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地元の人だけじゃなくて、初めて古賀に入ってくる人も、Uターンで関わる人も、それぞれの見方で古賀の楽しみ方があるんだなって感じています。

ー黒木さんのお気に入りのスポットを教えてください

僕は山奥で生まれ育っているので、海がある暮らしっていうのがすごく魅力的で今でもテンションがあがります。
あと、お気に入りのお店でおすすめなのが、『ドッグキャンパーレスト青柳』というドッグカフェです。僕は犬を飼っていないのですが、看板犬の大きいニューファンドランドがいるので癒されに行っています。手捏ねハンバーグが美味しくて、サラダバーがあってお惣菜やスープも食べ放題なんですよ。食事もすごく美味しいし、キャンプサイトもあるので、愛犬と一緒にデイキャンプや泊まりでキャンプもできます。
古賀市には、保護猫のいる猫カフェがいくつかあり、老犬介護ホームや動物愛護センターがあったりと動物にも優しい”ワンヘルス”のまちなんですよね。

イベントで広がる人と人との繋がり

ー黒木さんは移住してから古賀市の人との繋がりをどのように作っていきましたか?

僕が古賀にきて「どうやって地元の人と繋がりを作ろうかな」と思っていた時に、一般社団法人こがみらいが運営しているまちづくり拠点『CREATE SPACE MIRACO(クリエイトスペースミラコ)』を見つけました。そして、そこの交流会に何度か参加させてもらいながらいろんな人と繋がりを作っていく中で、古賀に詳しくなったり、古賀を好きになりましたね。

あとは、お祭りとかマルシェとかワイワイするイベントが好きで、休日のほとんどは何かしらのイベントに参加して、主催されている方や出店されている方、遊びに来ている方などと出会い交流することも楽しみのひとつです。
広報誌やSNSをチェックしたりもするのですが、古賀でもいろんな催しが行われているので、気になるものがあれば積極的に足を運んでいます。
イベントは地域のことが知れるし、様々な繋がりが生まれる大切な機会だと感じています。

ー古賀市でおすすめのイベントはありますか?

大きいイベントでいうと、毎年5月に行われる『古賀モノづくり博 食の祭典』があります。

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古賀市の福岡食品加工団地周辺には食品工場がたくさんあるので、その工場を持っている企業が出店して、いつもよりお得にお買い物できたり、祭典でしか食べられない限定メニューがあったり、誰でも楽しめます。飲食や物販のブースが並んでいて、和太鼓の演舞やチアダンスなどの路上ライブもあって盛り上がるイベントです。
僕も地域おこし協力隊の活動として会場の設営やイベントの準備を手伝ったりして、毎年関わらせてもらっています。
古賀市観光協会や地域の事業者の方々、学生ボランティアの方々と一緒になって盛り上げているんですが、誰でも参加しやすい雰囲気が作られていて、輪に入りやすいですね。

あとは、『つながるマーケット』や『ロッキンクルージン』なんかも古賀ならではのイベントで面白いですよ。

古賀グリーンパーク・出会いの広場で開催されている地域マルシェ『つながるマーケット』では、地域の方の手作り雑貨や飲食ブースの出店があり賑わっていて、家族で楽しめるのでおすすめです。古賀市の環境課が取り組む『KOGA環境ひろば』も同時開催されていて、古賀市の自然や生きものについて知ることもできて子どもたちにも人気です。

『ロッキンクルージン』は古き良き時代のアメリカンカルチャーを体現したフェスで、カスタムされたクラシックなアメ車の展示やロカビリー調の音楽やファッションといった”異文化”が楽しめる九州でも珍しいイベントです。毎年、全国からこんなに多くの方々が古賀を訪れて、楽しんでもらえるのはとてもうれしいですね。

古賀市の魅力を発信しないのはもったいない

ー黒木さんの活動のこれからの展望を教えてください。

先ほども話したように、古賀市にきて初めて気が付いた良いところがたくさんあります。
それを僕一人が、気付いてよかった、楽しかったで終わらせてしまうのは、本当にもったいないのでしっかりと外に発信していきたいですね。

古賀に住んでいる人でも「そんなイベント知らない!」「そんなこと体験したことない!」ということが実はたくさんあるんです。そんな古賀の魅力的なところを観光の一つとしてコンテンツ化したりして、形にしていくと興味を持ってもらいやすいかなと考えています。

まずは「古賀に行ってみよう」と思ってもらう仕掛け作りをしていきたいです。今は、インスタグラムで古賀の様々なシーンを取り上げて発信していて、今後、古賀の観光プロモーションメディアとして『よかろ、古賀』というウェブサイトを作ろうと思っています。
あとは、古賀市の中で自分で発信したり事業をしたり、積極的に活動できるプレイヤーを増やしていきたいですね。今も潜在的にはもっといるはずだと感じているので、そうした方たちとまちの中でこれから出会ったり、面白いことが一緒にできたりするのが楽しみです。

若い層ももちろんですが、リタイアしたからちょっとまちづくりを手伝おうかなというベテランの層も、きっかけさえあれば、実はポッと出てくるんじゃないかなと思ってるんです。
そのきっかけが作れるような交流会とかをやっていきたいですね。昨年から不定期で開催している地域交流ワークショップ『こがのわ』では、毎回テーマと会場を変えながら幅広い世代の方々と集まり、和気あいあいとしたおしゃべりを楽しんでいます。

「自分で発信してこれをやるんだ!」というモチベーションの人が増えてきたら、まち全体でもっと連携が生まれるだろうし、もっと面白くなるだろうなと考えています。そうやってみんなで動いていけば、きっとちょっとずつまちが動くんだろうなと思います。

まとめ

今回は古賀市地域おこし協力隊として活動される黒木さんにインタビューさせていただきました。

地元の人も気が付いていない古賀市の魅力をたくさん教えていただくことができました。これから黒木さんが発信される古賀市の情報にも注目ですね。

黒木さん、本日はお忙しいところインタビューにお答えいただきありがとうございました。